【2024年最新版】クラウドサービスの選び方、IaaS、PaaS、SaaSの違いと特徴
現代のビジネス環境において、クラウドサービスは欠かせない存在となっています。
企業はクラウドサービスを活用することで、ITインフラのコスト削減や運用の効率化を図り、競争力を高めています。
また、ビジネスシーンだけでなく、現代は様々なクラウドサービスを個人ユーザーが特に意識することなく、日々の生活で利用しています。
私たちの生活や仕事の中で頻繁に利用されるこれらのサービスですが、それぞれの提供範囲や特徴について、しっかり理解しているでしょうか。
クラウドサービスと言っても、その内容や提供形態には大きな違いがあります。
クラウドサービスは、主にIaaS、PaaS、そしてSaaSの3つのカテゴリに分類されます。それぞれのサービスは異なるニーズに対応しており、ビジネスや個人の利用目的に応じて最適な選択をすることが重要です。
この記事では、クラウドサービスの3つの主要なカテゴリについて、その特徴や違いを詳しく解説します。クラウドサービスの選択肢が増える中で適切なサービスを選び、効果的に活用するための知識を深めましょう。
ITエンジニアとしてこれらの知識は必須となります。まだ詳しく知らない方は、この機会にぜひ理解を深めましょう。
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IaaS、PaaS、SaaSの違い
as a Serviceとは?
IaaS、PaaS、SaaSの違いを説明する前に、まず「aaS」について解説します。
「aaS」は「as a Service(アズ・ア・サービス)」の略です。「as a Service」とは、クラウドコンピューティングの形態の一つで、必要なサービスをインターネット経由で提供する仕組みを指します。
つまり、ユーザーは自分で物理的なハードウェアやソフトウェアを購入・管理する必要がなく、必要な機能をインターネット経由でサービスとして利用できるのです。
「as a Service」には様々な種類があり、提供されるサービスの層に応じて大きく3つに分類され、IaaS、PaaS、SaaSと呼ばれます。
これらの違いは、主に提供されるリソースがインフラ層、ミドルウェア層、またはアプリケーション層のどれに該当するかによって分類されます。
それぞれの特徴と細かな違いについては後ほど詳しく説明しますが、大まかに言えば、IaaSはインフラ層までのサービス、PaaSはミドルウェア層までのサービス、SaaSはアプリケーション層まで含むサービスと考えると分かりやすいでしょう。
それでは、この分類を踏まえ、それぞれの特徴と違いについて詳しく説明していきます。
IaaS
IaaSは「Infrastructure as a Service」の略で、インターネットを通じてインフラ(サーバー、ストレージ、ネットワークなど)を提供するサービスです。これは、企業や個人が物理的なハードウェアを購入・管理する必要がなく、必要に応じてリソースをクラウドからオンデマンドで利用できる仕組みです。
また、IaaSは仮想化技術を活用して物理的なサーバーを複数の仮想サーバーに分割し、リソースの効率的な利用を可能にしています。これにより、ユーザーは必要な時に必要な分だけリソースを追加することができます。例えば、ウェブサイトのアクセスが急増した時には、簡単にサーバーの数を増やしたり、データを保存する容量を拡大したりすることができます。
IaaSでは、物理的なインフラ(サーバー、ストレージ、ネットワーク)の管理はサービス提供者が管理しますが、ユーザーはその上で動作するオペレーティングシステムやアプリケーションの管理を担当します。この仕組みにより、ユーザーは自分でインフラを構築する手間を省きつつ、必要に応じてカスタマイズや管理の自由度を保つことができます。
PaaS
PaaSは「Platform as a Service」の略で、アプリケーションの開発に必要な統合開発環境(IDE)、データベース管理システム、ミドルウェアなどのさまざまなツールを一括して提供するサービスです。開発に必要なインフラ環境がすべて整っています。
PaaSはインフラの管理を抽象化しているため、開発者はインフラに直接関与することなく、アプリケーションの開発に集中できます。これにより、インフラ管理の複雑さを排除し、開発効率を大幅に向上させることができます。
PaaSの用途としては、インフラ管理の手間を省きたい場合や、アプリケーションの開発やデプロイに集中したいとき、そして迅速にプロダクトをリリースしたいときに便利です。
IaaSに比べて自由度やカスタマイズ性は低いですが、その代わりにインフラの設計や保守・管理を気にせず利用できるので、インフラの知識があまりない人でも利用しやすいサービスになっています。
SaaS
SaaSは「Software as a Service」の略で、インターネットを通じてソフトウェアアプリケーションを提供するサービスです。ユーザーはソフトウェアを自分のデバイスにインストールする必要がなく、ブラウザを通じてそのサービスを利用できます。
SaaSの大きな特徴は、インターネット接続があればどこからでもアクセス可能という点です。これは、今では当たり前になったリモートワークに非常に適しています。ユーザーは自宅や外出先からでも、必要なソフトウェアに簡単にアクセスできるため、多様な働き方をサポートします。
さらにSaaSは複数のユーザーやチームがデータの編集や管理を共同で行うことができます。データはクラウド上に保存されているため、各ユーザーがデータをダウンロードする必要はなく、複数のユーザーが同時に編集しても、データは常に最新の状態に保たれるため、チームでの共同作業にも非常に適しています。
また、SaaSはサービス提供者がソフトウェアのホスティング、メンテナンス、アップデートを行うため、ユーザーは常に最新の機能を利用できます。IaaSやPaaSではユーザーが自分でサービスを開発する必要がありますが、SaaSでは既にサービスが完成しているため、ユーザーはそのサービスをそのまま利用するだけということです。
IaaS、PaaS、SaaSのメリット・デメリット
前述した各サービスの特徴と一部重複する部分もありますが、ここでは各サービスのメリット・デメリットについて解説します。
IaaSのメリット
IaaSの主なメリットは、その高い柔軟性とカスタマイズ性にあります。ユーザーは自分でインフラをクラウド上に構築でき、また必要に応じて自由に設定も変更できるため、自社のニーズに最適な環境を迅速に作り上げることができます。
また、IaaSはスケーラビリティにも優れており、リソースの増減を管理画面上や特定のコマンドを叩くだけで簡単に行うことができます。これにより、企業は需要に応じたリソース管理が可能となり、インフラにかかるコストを最適化できます。
自前でサーバーを購入する必要がなく、使用した分だけを支払う料金体系は低コストで、特に中小企業にとって大きな魅力になるでしょう。
IaaSのデメリット
IaaSにはデメリットもあります。その一つは、インフラの管理やメンテナンスがユーザーの責任であることです。これに対応するためには、高度なインフラの専門知識が必要となってきます。セキュリティ対策もユーザーが行う必要があり、適切な管理が求められます。
さらに、複雑なインフラ環境の運用には多くの労力と時間がかかるため、小規模なチームやインフラ管理の経験が少ない企業にとっては負担が大きい場合があります。加えて、サービス事業者によって強制的にメンテナンスが予定されることもあり、これがシステムの稼働に影響を及ぼす可能性もあります。
PaaSのメリット
PaaSの最大のメリットは、開発効率を大幅に向上させることです。一般的にPaaSは統合開発環境(IDE)やデータベース管理ツール、ミドルウェアなど、アプリケーションの開発に必要なツールを一括して提供します。これにより、開発者は迅速に環境を整え、アプリケーションの開発に専念することができます。
インフラ管理はサービス提供者が行うため、開発者はインフラの複雑さを気にすることなく、開発プロセスに集中できます。さらに、PaaSは自動スケーリング機能を持ち、アプリケーションの需要に応じてリソースを自動的に調整するため、常に最適なパフォーマンスを維持できます。
PaaSのデメリット
一方で、PaaSのデメリットとしては、特定のプラットフォームに依存するリスクがあります。サービス提供者の環境に適応しなければならず、他のプラットフォームへの移行が難しい場合もあります。また、提供されるツールや環境には制限があり、細かいカスタマイズが難しいことも少なくありません。さらに、使用量に応じた料金体系のため、長期的にはコストが高くなる可能性も考えられます。
SaaSのメリット
SaaSのメリットは、その導入の簡単さにあります。ユーザーはソフトウェアを自分のデバイスにインストールする必要がなく、インターネット経由ですぐにサービスの利用を開始できます。サービス提供者がソフトウェアのホスティング、メンテナンス、アップデートを行うため、ユーザーはこれらの管理に時間や労力を割く必要がありません。また、SaaSアプリケーションはインターネット接続があればどこからでもアクセスできるため、リモートワークやモバイルワークにも非常に適しています。
SaaSのデメリット
SaaSのデメリットは、ソフトウェアが標準化されているため、ユーザーの特定のニーズに合わせた細かいカスタマイズが難しい場合があります。また、データがサービス提供者のクラウド上に保存されるため、ユーザーは自分でセキュリティ対策を講じることが難しく、サービス提供者のセキュリティ対策に依存する必要があります。
ユーザーはサービス提供者への依存が大きいため、例えばサービス自体の変更や停止が自社のビジネスに大きな影響を与える可能性もあります。さらに、サービス提供者の方針や価格設定に左右されるため、長期的なコスト管理も重要になってきます。
IaaS、PaaS、SaaSの代表的なサービス
クラウドサービスには多くのサービス提供者が存在し、各種サービスを提供しています。それぞれのカテゴリーにおいて、代表的なサービスをいくつか紹介します。
IaaSの代表的なサービス
Amazon Web Services(AWS)
AWSはIaaSを広げた立役者と言ってもよいでしょう。仮想サーバー(EC2)やストレージ(S3)など、多機能なクラウドサービスを提供し、自由にリソースをスケーリングできるのが特徴です。AWSは非常に多機能で、データベース、機械学習、分析ツールなど幅広いサービスを提供しています。
Microsoft Azure
Microsoft Azureは、Windows環境との親和性が高く、企業ユーザーに人気のあるIaaSプラットフォームです。また、Azureはハイブリッドクラウドソリューションをサポートしており、オンプレミスとクラウド環境の統合が容易です。
Google Cloud Platform(GCP)
GCPはGoogleの提供するIaaSプラットフォームです。GCPは大規模データの処理に優れており、BigQueryなどの強力なデータ分析ツールを提供しています。また、AIおよび機械学習サービスにも力を入れており、データサイエンスの分野でも利用されているのが特徴です。
主にIaaSは、自社の大規模なシステムや高度なカスタマイズが必要なプロジェクト、そして柔軟なリソース管理を求めるサービスの開発・展開に適しています。
PaaSの代表的なサービス
Google App Engine
Google App Engineは、Google Cloud Platform(GCP)の一部で、開発者がインフラ管理を気にせずにアプリケーションを開発、デプロイできるPaaSサービスです。自動スケーリング機能を備えており、アプリケーションの需要に応じてリソースが自動的に調整されます。また、Googleの他のサービスとの統合も容易です。
Microsoft Azure App Services
Microsoft Azure App Servicesは、ウェブアプリケーションやモバイルアプリケーションの開発とホスティングに特化したPaaSサービスです。開発者は、Azureの強力な開発ツールを活用して、迅速にアプリケーションを構築、デプロイ、管理できます。
Heroku
Herokuは、シンプルで使いやすいPaaSプラットフォームとして広く知られています。多くのプログラミング言語(Ruby、Node.js、Python、PHPなど)をサポートしており、開発者はコードをプッシュするだけで簡単にアプリケーションをデプロイできます。
PaaSは、インフラ管理を気にせずに迅速にアプリケーションを開発・展開できるため、特にスタートアップ企業や、迅速な開発とデプロイが求められるアジャイル開発手法を採用するチームに向いています。
SaaSの代表的なサービス
Google Workspace
Google Workspace(旧G Suite)は、クラウドベースの生産性向上ツールを提供するSaaSです。Gmail、Googleドライブ、Googleドキュメント、Googleスプレッドシートなどのツールを含み、ユーザーはインターネットを通じてこれらのツールにアクセスし、リアルタイムで共同作業ができます。
Salesforce
Salesforceは、顧客関係管理(CRM)ソフトウェアのSaaSサービスとして非常に有名です。企業はSalesforceを使用して、顧客情報の管理、営業活動の追跡、マーケティングキャンペーンの実施などを行うことができます。Salesforceは豊富な機能とカスタマイズ性を提供し、様々な業界で広く採用されています。
Microsoft 365
Microsoft 365(旧Office 365)は、Microsoftが提供するSaaSで、Word、Excel、PowerPoint、Outlookなどのオフィスツールをクラウド上で利用できます。ユーザーはどこからでもこれらのツールにアクセスでき、共同編集機能によりチームでの作業もスムーズに行えます。
SaaSのサービスは非常に多岐にわたります。ここに挙げていないものでも、SlackやChatworkなどのチャットツール、ZoomやGoogle MeetなどのWeb会議ツール、サイボウズやGoogleカレンダーなどのスケジュール管理ツールなど、さまざまな分野のサービスがあります。
これらのようにSaaSは、企業向けの高機能なソフトウェアをインターネット経由ですぐに利用できるので、多様な働き方をサポートし、幅広い業種や規模の企業に適していると言えるでしょう。
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IaaS、PaaS、SaaSの概要は、IT業界で働くエンジニアならばクラウドエンジニアでなくても最低限知っておきたい知識だと思います。
これらの違いや特徴を理解することで、新しいプロダクトを始める際や、DX化を進める際に、どのサービスを利用すればよいかの判断に役立つでしょう。
もしITフリーランスとしてこれらのクラウドサービスを活用したプロジェクトに挑戦したいと考えているのであれば、多くのメリットがあります。
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